避難バッグにカードゲームを入れるだって!?

避難バッグにカードゲームやボードゲーム入れてますか?
避難所での生活は非日常。非日常を、いかにして日常に近づけるかが非日常を健やかに生き残る鍵となってきます。

避難所生活では、身体的な健康はもちろんのこと、脳の活動に影響を及ぼす精神的な健康(心の健康)を保つことも非常に重要となってきます。
なぜなら脳は、気力や意識、ホルモンの分泌や神経の伝達といった、人間が活動するための指示や、生きていくために必要な判断、欲求抑制など、様々な意思決定を行なっている非常に重要な器官だからです。
その健康を保ってくれる一助になるのが“娯楽”です。

「生き延びるのに必死で持っていけるわけないだろ!」と思われる方もいらっしゃるかとは思います。
たしかに発災後、72時間は『国や自治体などの支援が十分に整うまでは、自力で生き残らなければなりません。』(※1 東京臨海広域防災公園ホームページより)

しかし、この72時間を生き延びたら、次は日常生活に向けて身体も心も健康に過ごして欲しい。

そこで心の健康を維持するために使いたいのが、電源を使用しないカードゲームやボードゲーム、折り紙です。
もちろん、カードゲーム類に限らず、好きなアイドルの雑誌を見たり、漫談を聞いたりなど、電源を使わない娯楽ならなんでもOKです。

「避難所生活で楽しんでもいいの?」と思う方もいらっしゃるかもしれません。「避難生活なのに娯楽とは何事か。」と考える方もいらっしゃると思います。
しかし、前述したように娯楽は心の健康を保つため、引いては正常な判断により、避難生活を健康に生き延びることが、復興の原動力ともなりうる非常に重要な要素です。

実際に東日本大震災(2011年3月11日)では発災から約5日後の3月16日、子どもたちが避難所の机で輪になり、トランプをしている姿が写真に収められています。
その子どもたちの中には、笑ってトランプをする姿も収められていました。
(※2 時事通信社 2011年3月16日掲載)

遊び盛りの子どもが一日中避難所でじっとしているのは不可能です。少しでも気分が紛れたり、いろいろなお友達とコミュニケーションを取ったり、避難所という特殊なコミュニティの中で難を乗り越えるための仲間を作るツールとしても娯楽は力になってくれると考えており、子どものみならず、老若男女の役に立つルールだとも考えています。

自身の身体を守ったら、心も守ってほしい。
自身の身体と心を守ったら、次は大切な人の身体と心を守ってほしい。
大切な人の身体と心を守ったら、どうか隣の人の身体と心を守ってほしい。

そうすることで災害時の自助、共助、公助がなりたつのではないでしょうか。

避難生活を健康に生き延びるため、避難バッグに娯楽を入れることの重要性を少しでも理解していただけると幸甚です。

<参照>
※1東京臨海広域防災公園HP 1F防災体験ゾーン
https://www.tokyorinkai-koen.jp/sonaarea/1f.php

※2 JIJI.COM(東日本大震災 避難所 写真特集)より
https://www.jiji.com/jc/d4?p=hin003-jlp10596994&d=d4_news